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医学、雑学、ライフハックなど。「こいつ”使える”な」と思われるような記事を書いていきます。読み方はご自由に。

田の舎の科博=東京の文化を知らず?

先日、国立科学博物館(愛称:かはく)のクラウドファンディングが話題となりました。

 

www3.nhk.or.jp

 

国立を名乗る施設が資金をクラウドファンディングで募ったことの是非は別の機会で触れるとして、今回はこういった「文化施設」の偏在について見識を深めていこうと思います。

 

端的に言えば、都会vs田舎、中央vs地方の話ですね。

 

コロナによる行動制限も緩和され、お盆期間に帰省する人も増えたでしょう。都会から地元に戻り、あれこれお気持ち表明される風物詩がたくさん見られるものと思います。しばしば再燃するこの手の議論、各々がイメージする都会や田舎がマチマチすぎて不毛なんですよね。

 

ちなみに私が半身を置く医学系の人たちは「都内」とか「地方」の話題が大好きです。医学部に入学するために望まぬ地方大学での学生生活を送り、都落ちとかなんとかコンプレックスを抱えた人たちが溢れているので定期的に燃えております。どうでもいいですね。

 

賢いはずのお医者さんたちの間でも「地域医療」=「医者いじめのある無医村で医療」のイメージで語られていたりして、グラデーションがない。

 

なお、私は公立の出かつ地方都市在住の身なので「地元最高!」も「都会最高!」も半々であるという面白みのない立場で語ることをご容赦願います。

 

 

▼目次

キーワード:都会、都市、東京、郊外、地方、地域、田舎、文化、文明、科博、クラファン、クラウドファンディング

 

▼過去の議論

kmshzr-im.hatenablog.com

kmshzr-im.hatenablog.com

kmshzr-im.hatenablog.com

 

▼Impression

www.youtube.com

 

 

東京じゃないと文化を享受できない?

はてなブックマークにて、下記の文章が注目を集めました。

anond.hatelabo.jp

それなりに栄えた地方都市に行くわけだ。

ここには、東京でやった展覧会の巡回展も来てくれない。海外アーティストのライブだってやらない。国会図書館だってない。

そういう場所に暮らしている人って、どうやって趣味を楽しんでいるんだろうか。

 

たしかに美術や音楽、最先端の海外文化などを趣味にしてる人は東京や都会のが住みやすいものと思われます。今や電子でやりとりできそうな本や漫画の出版社だってやっぱり都会に集まっております。

 

 

感受性が欠乏してるんだろ

上記はてブを受けて主に「文化」について議論がなされました。

anond.hatelabo.jp

 

これはいま、おれの中にひとつわりと明確な答えがあって、それは

"スーパーセンタートライアルに向かう途中の田んぼ道"
です

 

 

人のいねえ道で適当に腕振り回したりしながらチャリ漕いで、雲とか星とかを眺めて、そのあとスーパーセンタートライアルでアイスとか75円のイカフライとかを買って、別に腹が減ってるわけでもねえけど、帰り道に開封して、食いながら帰る

これはまさに、俺の文化だと思っていますよ!

展覧会やライブや図書館に行くことだけが文化ではないといった趣旨の文章です。

 

このように、どういう場所でも楽しめる人がいます。「物事を楽しむ感受性」ってやつですね。

 

Twitterで何度も擦られる名セリフ。出典は下記単行本のようです。同じ作者の『空が灰色だから』にも刺さる言葉が多いのでおすすめです。

 

 

見る人の「解像度」にも影響されるという話。

 

 

 

 

anond.hatelabo.jp

 

 

 

 

何を趣味にしてるかで生きやすさは異なりそう。趣味も「生産」と「消費」に分類できて、「消費」寄りだと都会じゃないと暮らしていけないのでしょう。この「生産」と「消費」の話はいつか別記事にまとめたいと考えています。

 

 

東京と京都とでバチバチ煽り合いがあっておもしろい。

 

 

本当に文化に触れてる?

東京に住む人が皆「文化的な生活」をしているかというと、どうなんでしょうね…。そうではないと思えます。

 

[第百二十五話]【推しの子】 - 赤坂アカ×横槍メンゴ | 少年ジャンプ+

 

 

 

 

 

東京にしがみつくのに必死で、文化の享受する余裕のある人がどれほどいるのか。東京に夢をみて、夢を叶えた人に比べたら、夢に破れた人の方が圧倒的に多いわけで。それをなんか一部ではタワマン文学とかいって慰めあうのが流行ってるみたいですね。

 

anond.hatelabo.jp

友達と遊ぶ時はテレビか雑誌で特集していた店に行き、大きくなってからは食べログの評価が高い店を探し、予備校終わりに疲れたら伊勢丹に寄って化粧品を買ったり、ルミネセールで爆買いしてみたり。

そう言った文化が何一つないのである。

この田舎で、夜することは飲み会かカラオケか男女の営みのみ。

店が存在しないか開いていないのだから仕方がない。

レビューがなさすぎることで、食べログで店を探すことがこんなに困難になるとは知らなかった。

地方都市なんだからデパートくらいあるでしょうというが、私は新宿伊勢丹で先行発売の化粧品を、エムアイカードのポイント10%還元を利用して購入したいのであり、そのついでにフェラガモの靴を物色したり、グッチの新作にケチつけたりしたいのである。

2019年の、なんとなくタワマン文学の前進かと疑いたくなる文章。

 

私はここで評される“文化“に魅力を感じません。やってること誰が一番でっかいカブトムシを捕まえたかと変わらないじゃん。

 

 

 

都会の本質は、情報が集まること。

「東京に住んでない人って、どうやって文化を享受してるんだろう。」の余波で、文化について具体例を挙げてくれた人がいました。

anond.hatelabo.jp

anond.hatelabo.jp

こう列挙されてしまっては、たしかにと飲み込まざるをえない、揺るぎのない文化ですね。

 

 

 

 

 

また、都会には多くの人が体感する「情報の多さ」があります。

 

 

p-shirokuma.hatenadiary.com

「そうだ!今日は水族館に行きたいな」と思ったら立派な水族館に行けてしまうのが東京だ。京都、大阪、北陸、九州の品だって欲しいと思った時には買えてしまう。

(中略)

唐突に他所の地方の品が欲しくなった時、ついでに買いに行けるのは「東京らしい」と思う。

 

 

 

 

 

都会の方が偶然に出会える情報量が多いというのは自分も感じていて

やっぱり都会の方が意識して集めようとしなくても自然に情報が入ってくるんですよね。

 

国立科学博物館でおもしろそうな展示があるという情報も、意識してSNSを追わないと知らずに過ごしてしまう。また、展示を見に行く行為が休日に限定されてしまい、休みを使った一大イベントになってしまうのは否めません。

 

kmshzr-im.hatenablog.com

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自分の興味関心によっては、地方は不便だなー、都会いいなーと、情報格差にコンプレックスを感じることもしばしばでした。

 

ただ、近年は「それって本当に必要な情報か?」と感じるようになってきました。

数日したら消えてなくなるような刹那的な刺激に酔えるほど私は若くなくなってしまったのですな。タピオカミルクティーを飲んでないことを恥に思えるほど多感ではなくなった。ある意味では、感受性が欠乏していってるのかもしれません。

 

関連したことを述べたの記事。

kmshzr-im.hatenablog.com

 

「解像度」を上げないほうがよいこともある。知らなくていいこと、触れなくていい世界、自分が摂取すべき情報。これらが年を重ねてなんとなく分かってきて、結果的に都会じゃなくていいな、都会じゃないほうがいいなと思えてきたのかな。

 

東京の景色に透ける僕は幽霊みたいだ。

 

 

箸休め

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日記

高みの見物。

 

 

2023/08/17 約8000字

2023/08/24 更新。約8400字

2023/10/17 更新。約10700字

2023/12/30 更新。約11000字 遅れたバズにマウント取り。

 

▼次の記事

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