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読み方はご自由に。医学や雑学やライフハックなど。「こいつ”使える”な」と思われるような記事を書いていきたいです。

108回医師国家試験を解いてみた。

事故や感染が怖い国試直前期です。

 

最後の仕上げに3年分の回数別ツアーに挑むことにしました。今回は108回、今から3年前の国試を本番と同じように三日間、時間は(早起きが出来ずに)適当ですが、制限時間以内に問いてみました

 

第108回 医師国家試験問題解説

第108回 医師国家試験問題解説

 

 

結果は一般 : 72.3%、臨床 : 77.5%、必修 : 88.3%

と無事に当時のボーダーを越えることができました(何が出たかを知っているので当然)(凡ミス多すぎ)(逆に心配)。

 

今さら点数に意味はございません。

 

まずは予備校の総評を確認してみましょう。

 

(1)「割れ問」が増加した。

(2)「画像一発問題」が増加した。

(3) 題材の重複が目立った。

 

(1)難易度はある意味では上がったが,ある意味では同程度である。

(2)必修問題に関しては107回と同程度である。

(3)禁忌肢も気にしなくてよい。

 

第108回医師国家試験 概評|医師国家試験対策予備校 テコム

 

・各論ブロックの難化

・試験冊子の乱れ

・医療従事者全体に関する出題の増加

・X2 typeの増加とL typeの減少

・画像の増加

 

CBT試験が本格化し、2~3年生からの早期学習が一般的となった。そのため近年の医師国家試験問題は難化しているにも関わらず、合格最低ラインが上昇している。医学部全体のレベルが上昇しているのである。このことを受けて、108回では各論を中心に問題の難易度を全体的に高めた可能性がある。

 

過去の概要・総評 | iCrip

 

 

 

2014年2月8日から10日の3日間にわたり、第108回医師国家試験が施行された。108回を一言で言うなら「鬼」である。1問1問の難易度もさることながら、その構成までが鬼畜の域に到達している。

 

『構成が鬼』とはどういうことか。国家試験はご存知の通りAブロックからIブロックの9ブロック、計500問から構成される。そして、3日間の試験で、各日3ブロックずつを消化する運びとなる。この9ブロック内で難易度が均一ならばよいのだが、まれに難しい問題が1ブロックに固まって出題されることがある。それが、108回の場合、AとIブロックだった。

 

108回医師国家試験・総評 – 医師国家試験過去問データベース

 

詳しい講評はリンク先を御覧ください。

 


106,107回と最低得点率の7割超えが続いていたのに比べ、108回はそれぞれ5%ずつ落ちているのでたしかに難化したようです。200問のうちの5%ということは全体的に10問ずつ誤答が増えたということですね。この年の受験生の心中をご察しします。

 

総統閣下もお怒りでしたね。

 

www.youtube.com

 

 

これらを踏まえたり踏まえなかったり、いろいろと仕上がってきたはずの今の自分が感じたことをずらずらずらと挙げていきます。

 

・正答率が感覚とちょっと違う。

単純に自分の知識レベルが平均的ではない可能性も否めませんが、自分が受けてきた模試の正答率の塩梅から考えても、やけに正答率が高いなという問題がいくつかありました。

 

医師国家試験において、「過去問は最低三年分、できれば五年分を解け」とよく言われております。よって108回では107回・106回・105回を勉強して臨んだ受験生が多いと想像できます。一方、自分は111回を受けるため、過去問三年分、つまり110回・109回・108回を勉強します。

 

となると108回の正答率は今から4~6年前の流れを汲んでの結果なわけで、国試の傾向、それを読んでの予備校の推すポイント、模試での出題範囲などが異なっているため、今の自分とは感覚の差異があるのかな、と思うことにしました。

 

当然、国試で問われたことは大学や予備校からも重点的に教えられるようになるため、たとえばGCSの問題もこの年では正答率50%ほどですが、今の医学生にとっては覚えていて当然の内容です。正答率も90%は固いでしょう。

 

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とにかく、自分が受ける集団のなかでどれくらい多数派で入れるかが重要なので、過去の正答率と競っても意味がありません。スルーです。

 

 

・合併症例多くね?

AにBが合併した症例、AからBに進行した症例、Aの背景にあるBを想像させる症例など、「単体だったら迷わずこれなんだけど、合併/進行してるから…えーっとどうすればいいんだ?」と悩まされる問題が多かった気がします。

 

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108D59のこの問題。

全身倦怠感。甲状腺機能低下症とありますが、どうやらそれだけじゃなさそう。甲状腺腫がないのはおかしい。探すと無月経や皮膚に異変が。分娩時に輸血歴あり、ということは大量出血したのかも!じゃあSheehan症候群だ!と喜ぶのも束の間、そこからさらに問われております。

 

下垂体前葉ホルモンを列挙し、ACTHが下がるからアルドステロン・コルチゾールも下がるはず。アルドステロンでNaとKが、コルチゾールで血糖がってことで答えはa,b,cだ!

 

ではありませんでした。答えはb,c,d。Sheehanではアルドステロン低下は顕著ではないらしいです。んなもんわかるか!

 

当然正答率は低く、わずか23%でした。しかし下垂体前葉が機能低下してもKが保たれるという記載は107C9でもあったようです。そういう改変をしてくるのか…。

 

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・レアケースの経験が邪魔をする。

臨床実習で見たり聞いたり、問題で解いたことがあったり。中途半端に知識や経験が増やしたばっかりに、それらに引っ張られて誤答する手痛い思いをしました。これのなによりイタいところは、「多分できたやろ」という自分の出来高が狂うことにあります。

 

「あの問題は凝固異常があったからこの治療は不適切」「あの問題は腎不全あるからこの薬はだめ」など、それを行う/行わないの判断理由までちゃんと理解しておかないとですね。

 

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この問題、模試で高齢者の腸重積を見ていたため、そのイメージに引っ張られてしまいました。この年齢で典型的なのは当然cですよね。eではなくcであるというヒントもたくさん散りばめられているのに、それを見落としてあえてeである証拠ばかりを拾ってしまったのです。必修マジックというやつです。

 

みんなが選びそうな答えを選ぶ」という教えを改めて遵守するよう心がけたいと思いました。

 

・「迷ったら主訴に帰れ」は有効

よくわかんないけど心雑音あるからエコー、視力低下あるから眼底検査みたいな。どうしても診断をつけられないときは主訴に一番即しているものを選ぶという技術はやはり有効でした。

 

しかし主訴に囚われすぎると○○がないから××ではないな!などと見落としが生じてしまうリスクがあります。症候学、特に何で発見されるのか、何が困って来院するのかの視点をもって復習しようと感じました。

 

・ド忘れよりも勘違いが怖い。

前日のブロックで問われた内容が翌日登場する多々あります。全く同じことを聞かれるのは(多分)ないのですが、当て馬選択肢として度々登場することがあります。となると、何か曖昧な知識があると同じようなことで悩まされることになるのです。

 

そのとき思い出せない、喉まで手が出かかっているのに、といったド忘れは最悪一問の失点で済みますが、「ステロイドは糖尿病の人でもOK!」なんて間違って覚えているものがあると連続失点してしまうリスクがあります。

 

訂正不可能な思い込み、妄想・・・。今一度、自分の知識を再確認をしたほうがいいのかなと思いました。「覚えたつもり」を「確実に覚えている」へ。仕上げが必要です。

 

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このようにA問題で聞かれたことと似たようなものがI問題で問われております。答え合わせの是非については難しいところですが、問題を解いて疑問に思ったことは復習しておいたほうがベターなのかな、と今は考えてます。

 

・時事ネタは、ありまぁす!

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風疹の問題が(自分が気づいた限り)3問もありました。

 

どうやら108回が行われた2013年度は風疹が流行した年のようです。元々メジャーな疾患のため何度も問題に出るのは当然とも考えられるのですが、A問題の1番目、いちばん最初に解く国試問題に出したことには何かメッセージ性を感じますね。

 

風疹の話はコウノドリでも描かれています。コウノドリをリアルタイムで読んでいた人はごちそうさまでしたね。単行本派は2014年5月発刊なので間に合わなかった模様。

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今からでも遅くない。コウノドリを読もう!

 

 

さてさて、直前期にまとめノートならぬまとめブログ記事を書くという、やばいリスクを背負ってしまいました。

 

次書く予定の109回感想を充実させるためにも急いで復習したいと思います。

 

今年はなにが流行したっけなぁ・・・。

 

(2017.01.24 ぐら子)