デロン デロリン リンデロン♪
世界が今直面してるロックダウンからの規制緩和って、ステロイド大量で火消しした後、燻り具合を見ながら絶妙な匙加減で減量していく工程に似ているけど、問題は主治医が全員、ドキドキしながら初めてそれをやる研修医なことよな。
— 森 甚一(血液内科医) (@jinichimori) 2020年5月10日
ステロイド入れると白血球数が(見かけ上は)増えるやつ、消防車のサイレンの音を聞いて「何だ何だ?」って集まってくるけど消化活動には一切貢献しない野次馬みたいよな。
— レ点💉💊🧬 (@m0370) 2020年4月30日
普段から働いてる白血球=「感染症の専門家」
— レ点💉💊🧬 (@m0370) 2020年4月30日
ステロイド投与時に見かけ上の数値だけ増えてる白血球=「感染症に詳しい◯◯」
炎症をそのまま炎と見立て、抗炎症作用を期待して投与されるステロイドを火消しと表現することがあります。いろいろ示唆的な喩えですよね。
本記事ではステロイドについてTwitterで見聞きしたお話をピックアップしてみました。
▼関連記事
アマゾン森林火災とAmazon炎上について関連付けた記事です。あえて火事を起こして大火災にならないようコントロールする手法があるようで、なにか医療的に応用できそうだと思いました。
ステロイドとは?
ステロイドには数々の副作用があり、医者を志す人はそれらを覚えなければなりません。そこで良い語呂があるのでご紹介。
《薬理学》【STEROID】ステロイド内服による5大副作用
— 医学語呂なう (@med56_bot) 2016年4月9日
S…精神作用(気分障害等)
TER…タール便(消化性潰瘍)
O…Osteoporosis(骨粗鬆症)
I…Infection(易感染性)
D…DM(糖尿病) pic.twitter.com/lLqPr08oP3
学生レベルならこれで十分。他にもいろいろありますが、「クッシング症候群と似たようになる」と覚えておけばだいたいなんとかなるでしょう。
《内分泌》【急ある、速攻、申せ!!】
— 医学語呂なう (@med56_bot) 2017年5月5日
副腎皮質ホルモンの産生部位(外側から)
球状層…アルドステロン、
束状層…コルチゾール、
網状層…性ステロイド(アンドロゲン pic.twitter.com/lRsPcHGxiP
関連語呂。アルドステロン作用も意識できると上級者。
医学生や研修医が疑問に思ったことはだいたい既に調べられていることで有名なつねぴーブログさん。勉強になります。
ステロイドと眼
さて、眼フェチの私からすると、ステロイドの副作用に白内障や緑内障があるのを見逃せません。
白内障の原因になりやすいのは全身疾患の治療に使用される内服薬と喘息などで使用する吸入薬です。ステロイド薬による白内障は発症すると進行が早く、数ヶ月から1年程度で手術が必要になるほど視力が低下することが特徴です。水晶体の後嚢部(眼の奥に近い部分)中央に皿状の濁りができるので(図2)、眼科医は濁りを見ただけでステロイドが原因であることがわかります。ステロイドは緑内障の原因にもなるので、使用する場合は必ず定期的に眼科を受診することが大切です。
†ステロイドレスポンダー†
ステロイドにより、眼圧が上昇する人が一定数います。そういった方々をステロイドレスポンダーと呼んだりします。
・ステロイド投与開始から最高眼圧に達するまでの期間は,全身投与群では9.8±13.5か月,点眼群では10.5±12.7か月であった。
・最高眼圧は全身投与群31.7±5.3mmHg,点眼群40.6±13.7mmHgであった。
点眼の方がもちろん反応が強いですが、全身投与でも眼圧上昇するようですね。
【NEW!】ステロイド外用薬は、眼の周囲に使用されるケースはあり潜在的に「眼圧をあげる可能性」があります。最近の横断研究では眼圧が上がった例はなかったとはされているものの「潜在的な懸念」はあり情報を集めておきたくさらに別の横断研究のひとつをご紹介します。 https://t.co/N6nXf6MaeR
— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) 2019年4月10日
眼周囲のステロイド軟膏でも作用する可能性があるとも言われています。
・原発開放隅角緑内障患者およびその血縁者,若年者,高度近視患者,糖尿病患者に多い。
・線維柱帯細胞の機能不全
・ステロイドを中止すれば多くの人は眼圧は正常化
明確な原因はわかっていませんが、なんらかの背景因子があるようです。
全身投与で目にも影響するのであれば、逆も然り。
ステロイドの急な中止は禁忌とされてますが、目薬でステロイドを使った場合もやはり漸減が必要なのでしょうね。
救急外来に目が赤い人が来院した。次のうち使ってはいけないものはどれ?(クソ問)
— かたぐら子 (@cat1021gla) 2019年12月19日
1.フルオロメトロン
2.フルオロウラシル
3.フルオロセイン
4.フルオメソロン
5.フルメトロン
※これは眼には関係ありません。
「ステロイド"""バルス"""」とマジで書かれてあるカルテを見てしまって目があああーーーー目があああーーーーーーー!!!!ってなった🙋🙋🙋
— なっさん🙋@指導医がYouTuberデビューした (@medica_gaba) 2018年5月11日
ステロイドと膠原病内科
そしてタチの悪いことにこういう不適切なステロイド治療をされた患者さんはステロイドを減らすと決まって不定愁訴が増える。本当にこういう治療は犯罪と言っていい。
— リウマチ膠原病内科医 タックマン (@takkman_rheum) 2018年7月26日
以前、膠原病でステロイド投与中の若年患者さんが突然来院されなくなりました。
— Aiueotips (@aiurotips) 2019年3月9日
3ヶ月後、末期腎不全及び両眼失明の状態で救急搬送されて来ました。話を聞くと、某病院で「免疫抑制剤は身体に悪いから漢方にしなさい」と言われ、全ての薬を中断したとのこと。
・・実はこのような例は後を絶ちません。
リウマチ患者さんで足の裏の痛みを訴える方は稀ではありません。足趾の付け根が抑えて痛む場合は、リウマチの活動性が残存している可能性が高いです。血液検査やX線検査で正常だからと放置せず、適切に治療しましょう。少量のステロイドの関節内注入で生活の質が変わります。
— raspecialist (@asomoonrise) 2018年6月4日
「よく分からない関節痛に対してステロイド始めました。以降のフォローをお願いします。」と丸投げされた時の膠内専修医。 pic.twitter.com/XpdUGsucmN
— なっさん🙋@指導医がYouTuberデビューした (@medica_gaba) 2019年6月18日
ステロイドと血液内科
見渡す限り、幼女と赤血球ちゃんの死体で街が埋め尽くされた後
— すきえんてぃあ@執筆に専念しろ (@cicada3301_kig) 2018年7月18日
能登さんボイス
「あらあら〜♡免疫性血小板減少症(ITP)は〜」
ロボット声
「この街は我々、ステロイド帝国軍の管理下に入った」
ヘリ音
拡声器を持ったグレイ型宇宙人集団が占拠して、白血球を緊縛プレイして戦犯処理する回
見たい
ステロイドと精神科
ステロイドを使用した際に精神症状が生じることがあり、その多くが40mg以上の使用だったという。ステロイドは、身体的な治療で欠かせないことが多く、むやみに避けるべきではない。ただ、使用する際には気を付けて見守りたい。 pic.twitter.com/VC79ZypTCx
— 精神科医 ぷしこノート (@Psycho_Note) 2018年5月26日
ステロイド使用者、短期間で躁状態が多いこと(そして、長期間で抑うつが多いこと)が少し府に落ちる話です。ステロイド使用直後の精神症状には抗精神病薬がいい可能性が想像されます。参考にいたします! pic.twitter.com/6MQYoNt8D1
— 精神科医 ぷしこノート (@Psycho_Note) 2019年8月20日
ステロイドと皮膚科
#Qassist皮膚科#医学の小ネタ
— Dr.盛永 (@d_morinaga) 2018年8月27日
ステロイドの塗り薬
よく使う製剤を強さごとに分けました
*研修医でも知っておくべきところです pic.twitter.com/gkPY78WUsk
虫刺されにデルモベートを処方するよう書いてる研修医向け本は多い気がするけど、強すぎの心配はないのかしら。短期だし大丈夫なのかな。
『そんなにたくさん塗るのかと、よく驚かれます。そういう患者さんは、それまで塗っていた量が少なすぎる』
— io302 (@io302) 2018年11月19日
『適正な量のステロイドをしっかり塗れば、一気によい状態に持っていける』
薬も使い方誤れば効果が出ない。処方しても外用してくれなきゃ改善しない。
https://t.co/rrBfRNebf4
アレルギー学会の専門医セミナーの講師の先生いわく
— kamekura(尊茸攘筍派) (@kamekurasan1) 2018年6月28日
「アトピー性皮膚炎の部分に感染が起こっててもステロイドでの治療を優先して良い、皮膚炎が改善すれば細菌は定着できなくなる、感染の勢いが強ければ内服抗生物質で治療するとよいです」
とのことでした。某VGは不要。 https://t.co/Fc4x9VGo07
昔あれこれアトピーとステロイドについてブツブツ呟いたことのまとめモーメントも置いておきます。
— 相川晴(HAL) (@halproject00) 2018年6月28日
https://t.co/i99g292QOy
皮膚科医はときどき自嘲的に、あるいは研修医を勧誘するときに「抗真菌薬かステロイドを使えば良いだけだから簡単」と言う。
— 🍀いちは🍀 (@BookloverMD) 2017年11月19日
だまされてはいけない。
それを言うなら、ボクサーだって「右手か左手を使えば良いだけ」なのだ。
どこで何をどれくらいの勢いで使うか、その見極めはやはりプロの領域だ。
アトピーって、皮膚のところで火事が起きてる状態なんですね。そこにかける水が、ステロイドの塗り薬です。十分に水をかけないと火は消えませんので、合う強さのステロイドをしっかり塗る必要があります。
— 相川晴(HAL) (@halproject00) 2017年8月22日
で、塗ると火が消えますから、皮膚の状態もよくなります。→
ステロイドと耳鼻科
突難の治療における問題点は以下です。
— ゑびす🦐手を洗う数学医 (@yebisu_math) 2019年3月5日
・治療は早い方がいいですが、1分1秒を争う疾患ではありません
・また一般的に行われる「ステロイド治療」もエビデンスレベルが高い治療とは言えません。
またステロイドは様々な副作用があり、糖尿病のある方とかですと、デメリットの方が大きいと考え、突難でも投与しないことがあります。
— ゑびす🦐手を洗う数学医 (@yebisu_math) 2019年3月5日
ですから耳鼻科医としては「確実に突発性難聴」であることをなるべく確かめてから投与したいのです。
その他、ステロイド関連話
【ステロイドの豆知識】
— Aiueotips (@aiurotips) 2018年11月25日
『プレドニン5mg』と『プレドニゾロン1㎎』では、
実は1㎎の方が錠剤が大きいことをご存知ですか?
これはステロイド使用中の患者さんから、ステロイドを減量した際によく指摘されるので、医師も知っておくと非常に有用です。 pic.twitter.com/t2832BrOSr
《ステロイドの薬物相互作用》ステロイド+免疫抑制薬→重篤な感染症 アムホテリシンB、チアジド利尿薬、フロセミド、甘草→低カリウム血症 NSAIDs→消化性潰瘍合併率増加 経口血糖降下薬→血糖値上昇 生ワクチン→弱毒ワクチンの全身感染症 バルビタール系、リファンピシン→薬効低下
— 医薬品bot (@Iyakuhin_bot) 2017年11月11日
S「先生はステロイド外用薬を出しますね」
— Dr.リノ🦏 (@awaguni_deko8) 2018年12月6日
私「えっ急に何⁉️出しますけど…」
W「小児でも❓」
私「弱いやつなら……てか誰⁉️」
S「例えば」
私「やっぱmildなロコイドとか」
関口・渡辺「mild‼️」
関口「それでは問題。mildクラスのステロイド外用薬‼️ロコイド以外で‼️4つお答えください走って‼️」
国試時僕「ステロイド!」
— さとみな (Satomina) (@muroyamuron) 2018年11月13日
国試「よくできました〜〜〜!!」
国試時僕「よゆう!」
研修医僕「ステロイド!」
薬剤部「それはコートリルですか?ソル・コーテフですか?メドロールですか?ソル・メドロールですか?デカドロンですか?リンデロンですか?」
研修医僕「うぇ〜〜〜〜ん」
ワイ、デカドロン®️の事をご飯がススムくんと若干思い込んでいる節 is ある
— なっさん🙋@指導医がYouTuberデビューした (@medica_gaba) 2017年10月3日
これ、ステロイドの副作用に食欲増進があってそれを利用しデカドロンを使うこともあるようです。
ステロイドは井戸に捨てましょう。捨てろ井戸………ってねw
— かたぐら子 (@cat1021gla) 2020年5月15日
落ちたな。
2020/05/15 約5800文字 執筆時間:2hくらい (タイトル思いつけず)
▼関連記事