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読み方はご自由に。医学や雑学やライフハックなど。「こいつ”使える”な」と思われるような記事を書いていきたいです。

【世界緑内障週間】ライトアップ in グリーン運動を応援しています 2020

 ぐら子 glaucoma を語る.その2

 

▼昨年の

kmshzr-im.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

今年はシンプルにいきますよ~。

 

 

緑内障は、世界中の国で、中途失明の原因疾患として上位にランクされている重要な病気です。我が国でも緑内障は現在失明原因の第一位です。一方で、緑内障は、早期に発見し早期から治療を継続すれば、失明する可能性の低い病気になってきています。緑内障による失明を減らすには、出来るだけ大勢の人に緑内障という病気を知ってもらうことが大切です。
世界緑内障連盟 (World Glaucoma Association) は、毎年、3月に世界緑内障週間として、緑内障という病気の啓発活動を世界中で展開します。この期間のことを、世界緑内障週間World Glaucoma Weekといいます。 この期間、世界中で様々なイベントや啓発運動、イベントが同時に行われています。 日本緑内障学会の活動は下記のように実施されています。

世界緑内障週間|ライトアップinグリーン運動

 

 

緑内障は超慢性疾患。徐々に視神経がすり減っていき、視野が欠け、最終的には失明に至る病気です。自覚症状が出た頃にはかなり進行してしまっていて、慌てて治療を始めても手遅れになってしまうこともあります。

 

健康寿命が伸びたため、寿命より先に失明する時代になってきており、なおさら早期発見&早期介入が求められてきています。

 

その啓発運動が世界緑内障週間です。

 

今年は2020/3/8(日)~3/14(土)に渡って行われます。協力施設は「緑」にライトアップされ、夜空を照らします。

 

実施施設一覧(2020年)|ライトアップinグリーン運動

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

綺麗ですねぇ~。

 

映える。

 

 

まずはこういう病気があるということを知ってもらい、検診などでついでに目も見てもらおうかなと思う人が増えるとよいですね。検診の目安は40歳とされています。

 

見え方の変化(右眼のみを示す)

緑内障 - 目の病気百科|参天製薬

 

 

gentosha-go.com

 

 

gentosha-go.com

 

 

 

真面目な啓発活動はこれくらいにして、後は好き勝手語りましょうか。

 

 

 

 

さて、眼の界隈でこの一年での大きなニュースと言えば…

 

 

『病気がみえる 眼科』の発行ですね!

 

 

多種多様の医療職向けにわかりやすく解説され、しかもお値段も手頃な大人気シリーズの眼科版です。これを読んでる医学生はもちろん買ったよな!?

 

 

病気がみえる vol.12 眼科

病気がみえる vol.12 眼科

  • 発売日: 2019/06/28
  • メディア: 単行本
 

 

専門書とはいえ、比較的とっつきやすいので、病気をもつ人、その家族が自身の病気への理解を深めるために読んでもよいかもしれません。

 

緑内障の治療といえば、まず目薬。

 

残りの紙面は緑内障点眼薬についての与太話で埋めましょう。

 

 

緑内障点眼薬は作用機序で分けると、なんと10種類もあります(2020年時点)。作用部位は3つだけなのですがね。

 

二大巨頭はプロスタグランジン関連薬β遮断薬です。この2つを覚えれば緑内障初心者は脱したと言ってもよいでしょう。知りませんが。

 

プロスタグランジン関連薬は四天王

・​キサラタン(一般名:ラタプロスト

トラバタンズ(トラプロスト

タプロス点眼液(フルプロスト)

ルミガン(ビマトプロスト

 

主だったものはこの4種でしょうか。

 

薬には薬品名と一般名があり、それらを逐一覚えないといけないのが大変です。これでもルミガン以外は一般名と共通している部分があるので覚えやすい方ですが。一般名だと、成分が「プロスタグランジン」からとって「プロスト」と語尾につきますね。

 

緑内障治療を始めるといったら、まずこの4種のどれかを使う眼科医が多いと思います。では、この4種間での違いはなんなの?というと、作ってる会社が違う…と歯切れが悪くお答えがなかなか難しいところがあるのですが、

 

www.fizz-di.jp

 

上記のような違いがあるとのことです(他人任せ)(専門家に聞こう)!

 

 

ルミガンは四天王の中でも最強

plaza.rakuten.co.jp

 

ルミガンは効果の強さから重症な人に使われているイメージです。

 

ルミガンの名前の由来は、生みの親がアメリカのアラガン社ということしかわからりませんでした。ルミとはなんぞや。ルミナス(Luminous、Luminas)から来ているのでしょうかね。

 

 

キラッキラに輝くのは~ ルミナ~ス!

 

 

さて、効果が強いということは、それだけ副作用も強いということ。PG薬共通の副作用、PAP(プロスタグランジン関連眼窩周囲症状 Prostaglandin associated periorbitopathy)も強く出てしまうようです。

 

 

www.kiyosawa.or.jp

 

 

眼の周囲の脂肪に作用した結果、目元に変化が起きるようです。溢れた液はなるべく拭き取ることで少し発症を抑えられます。患者さんとしては、やはり見た目に影響するのでこの副作用は無視できないと思います。

 

医師サイドとしても、眼瞼が硬くなるので眼圧が測りにくくなったり、上の瞼をひっくり返しにくくなったりと、あまり良いものではありません。どうにか改善されてくれればよいのですがね。

 

 

 

その一方で、キサラタンは安価かつ副作用が少ないと言われています。ラタノプロストとして配合剤にも多く用いられていますし、歴史が深いのでしょう。

 

すごくどうでもよい話ですが、キサラと聞くと遊戯王を思い出します。

 

f:id:kmshzr_im:20200304202957p:plain

 

緑内障という闇から救うキサラたん…といったところでしょうか(?)

 

 

自分だったら初手はキサラタンを使おうかな。

 

 

 

β遮断薬は全身に効く

チモプトール(一般名:チモロールマレイン酸塩)

・リズモン(チモロールマレイン酸

・ミケラン(カルテオロール塩酸塩)

・ミロル(レボブノロール塩酸塩)

・ベトプティック(ベタキソロール塩酸塩)

 

 

やや、薬品名と一般名が結びつきません! ロールと付くのが特徴ですかね。プロプラノロールやビソプロロールなど循環器科の薬の方がピンとくる人が多そうです。

 

 

plaza.rakuten.co.jp

 

これらの目薬はβ遮断作用により、房水産生を抑制、つまり房水のinを減らす効果があります。

 

 

目薬とはいえ、全身に影響があるので、β遮断薬で悪化してしまう喘息、COPD、徐脈性不整脈心不全などを持つ人に使う際は要注意です。喘息が悪化した原因が目薬だったという話はたまに聞きます。

 

 

ベ ー タ ・ プ ロ ッ カ ー (マ レ イ ン 酸 チ モ ロ ー ル) の 点 眼 に よ り
誘 発 さ れ た と 考 え ら れ る 気 管 支 喘 息 重 積 発 作 の 一 剖 検 例

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrs1963/28/1/28_1_156/_pdf

 

 

最悪死に至る、と…。

 

 

これらの目薬を使ってる方は体格によらずHR 60bpm以下に行くか行かないかくらいのかる~い徐脈な場合がけっこうある印象です。

 

 

 

ちなみにαに関する緑内障点眼もあるのですが、こちらは遮断・刺激ともにあり色々と複雑なのでこの記事では割愛させていただきます。

 

 

αといえば、前立腺肥大症治療薬として用いられるα遮断薬によるIFIS(術中虹彩緊張低下症候群)も眼には馴染みが深いですね。

 

会員限定の記事ですが、薬剤師さんはこういうの敏感にすくい上げてくれます。

○○手術の前のハルナールはNG!?:DI Online

 

これも詳しくは割愛。

 

 

 

プロスタグランジン関連薬とβ遮断薬の二大巨頭のどちらか、あるいはどちらも使い緑内障治療が始まります。

 

しかし、どちらも使うとなると目薬を何回も差すのは大変ですよね。

 

目薬は、十分な効果を効かせるために、点眼の間隔を5分間以上は開ける必要があります。

 

毎日毎日そんな何本も差していたら、目薬するだけで一日がすぎてしまうではないか!

 

そんな不便さを解消するために、世の中には配合点眼薬があります。

 

 一個ずつご紹介。

 

 

ザラカム(ラタノプロスト+チモロールマレイン酸塩)

 

ラタノプロスト=キサラタン。サラが訛って?、ザラに。

 

「アバカム 」の画像検索結果

 

アバカムと語感が似ている。

 

 

 

・デュオトラバ(トラプロスト+チモロールマレイン酸塩)

 

トラボプロストトラバタンズのデュオ(Duo)って感じでしょうか。

 

トラバの後置き感が良いです。

 

 

 

・タプコム(フルロスト+チモロールマレイン酸塩)

 

ガッシュにこういう魔物がいたよなと思ってよく調べたらキクロプでした。

 

「キクロプ ガッシュ」の画像検索結果

 

こんなヤツいたの覚えてる?

 

 

 

ミケルナ(ラタノプロスト+カルテオロール塩酸塩)

 

カルテオロール塩酸塩=ミケランの配合点眼です。

 

ミケルと言えば、これもガッシュですね。

 

「ミケル ガッシュ」の画像検索結果

 

 

大塚製薬の目薬ですが、もしかして「痛みに負けるな」も大塚だっけ…とうきうきして調べたら別会社でした。負けた。

 

バファリンルナi 痛みに負けルナ

 

 

 

ザラカム、デュオトラバ、タプコム、ミケルナ。主だったプロスタグランジン関連薬+β遮断薬の配合点眼はこれら4種類です。

 

ルミガンの配合薬はまだ存在しないようですね。ラタノプロストが2回使われています。

 

 

配合点眼は他にも2種あり、炭酸脱水酵素阻害薬+β遮断薬という組成です。

 

 

・コソプト(ドルゾラミド+チモロールマレイン塩酸塩)

 

ドルゾラミド=トルソプトの配合点眼。

 

トルソプトは “trust(信頼)”と“optic(眼)”から由来されているようです。

チモプトールもチモロール+opticですね。

 

 

 

・アゾルガ(ブリンゾラミド+チモロールマレイン塩酸塩)

 

ブリンゾラミド=エイゾプトなので、エイゾ→エーゾ→Aゾ→アゾ?

 

 

 

 

 

 

ゾルガは心のチカラが尽きて唱えられなくなりました…。

 

 

 

 

 

といった感じで、緑内障点眼薬は多種多様あります。これでまだ半分以下。

 

効果だけでなく、使い勝手やつけ心地やコストパフォーマンスなどなど気にすることはいっぱいです。勉強が進んだらいずれまとめてみたいと思います。

 

yakuzaic.com

 

 

 

 

その他、緑内障の話題

 

篩板に掛かる眼圧とCSFとの圧勾配が視神経乳頭での神経障害と関係があるという論文があるよう。

ameblo.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・なんの記事でしたっけ?

 

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緑内障は、世界中の国で、中途失明の原因疾患として上位にランクされている重要な病気です。我が国でも緑内障は現在失明原因の第一位です。一方で、緑内障は、早期に発見し早期から治療を継続すれば、失明する可能性の低い病気になってきています。緑内障による失明を減らすには、出来るだけ大勢の人に緑内障という病気を知ってもらうことが大切です。
世界緑内障連盟 (World Glaucoma Association) は、毎年、3月に世界緑内障週間として、緑内障という病気の啓発活動を世界中で展開します。この期間のことを、世界緑内障週間World Glaucoma Weekといいます。 この期間、世界中で様々なイベントや啓発運動、イベントが同時に行われています。 日本緑内障学会の活動は下記のように実施されています。

世界緑内障週間|ライトアップinグリーン運動

 

 

世界緑内障週間の応援記事でした。

 

 

後半戦がんばっぺ!(あと2日)

 

 

 

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2020/03/13  約7600文字 執筆時間:計4hくらい?

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